起訴されると99%以上という極めて高い確率で有罪になると言われています。

ただ、これは、有罪立証が難しいと考えられるような案件や、示談が成立して起訴までするのは相当ではない案件については、検察官が不起訴の判断をしているという実情があるからでもあります。

そのため、争いのある事件では、不起訴を獲得することが非常に重要になってきますし、実際に当事務所には多数の不起訴実績があります。

 

不起訴を獲得するために、まず重要なのは、早期の段階から十分な接見をして、逮捕・勾留されている本人の言い分を確認することです。本人の言い分を確認することで、どの点に争いがあるのかを確認することができますし、その内容に応じて法律や裁判例を細かく調査していくことができるようになります。

また、本人の言い分の裏付けになる証拠が捜査機関の手元にないか確認したり、捜査機関の手元にない証拠で本人の言い分の裏付けになるものを独自に探したり、目撃者などから話を聞いたりすることも考えられます。

なお、本人の言い分を確認していく際には、捜査機関からの取調べ状況を教えてもらうことも非常に重要になります。なぜなら、捜査機関が取調べ時に本人に伝える情報などから、捜査機関が何故有罪だと疑っているかや、捜査機関が持っている証拠などを確認することができ、反論の準備がしやすくなるからです。

 

そして、捜査機関からの取調べへの対応も早期の段階から行うことも非常に大切です。

争いのある事件の場合、捜査機関は本人にどうにかして自白をさせようとしてきますし、連日取調べが行われることも少なくありません。

その際には、「認めれば早く出ることができる。」、「認めなければ反省していないということで罪が重くなる。」等といった、不正確な情報で自白させようと揺さぶりをかけられることもあります。

しかも、一度自白してしまうと、その自白の内容は証拠として取り扱われ、裁判で無罪を争うことが難しくなってしまいます。

そのため、このような取調べに対しては、弁護士が早期の段階から頻繁に接見をして、自白をしないように助言し、正確な情報を伝えて精神的な支えとなって、自白を強要されることを防ぐ必要があります。

その上で、捜査機関の対応を見ながら、こちらの言い分を伝えながら否認を貫くのか、黙秘権を行使して一切話をしないようにするのかといった方針決定をしていくことになります。

 

他方で、本人の言い分を確認したところ、刑事事件としては無罪の主張であるけれども、民事事件としては損害賠償義務が認められる場合があることも少なくありません。

そのような場合には、被害者に民事的な責任を認める意味での謝罪や、被害弁償をすることで示談を成立させることができないかを検討することも重要になります。

 

このように不起訴を獲得するために準備すべき事項は様々ですが、以上のような準備をする時間は限られています。逮捕されてから勾留されるまでの最長72時間と、最長20日間の勾留期間が経過するまでの間に、検察官は起訴するかどうかを決定しますので、身体拘束された事件では23日間しか準備する時間がないことになります。

この23日間の中で、本人の言い分や、本人に有利な証拠、法律論、裁判例等を整理して、場合によっては示談を成立させ、最終的には、弁護人から検察官に意見書を提出し、不起訴にしてもらえるよう説得することになります。

この意見書をどれだけ説得的なものにできるかは、準備時間をどれだけ確保できるかにもかかってきますし、不起訴獲得を希望される場合には、できるだけ早期に弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。