争いある事件が起訴された場合、裁判の中で無罪を獲得することを目指していくことになります。当事務所には無罪を獲得した実績が複数ありますし、起訴されたからといって必ずしも悲観する必要はありません。

起訴をされた場合、検察官としては有罪にするだけの証拠があると判断して起訴しているわけですから、まずは、検察官から提出された証拠を細かく分析して、証拠が弱い部分がないかを確認することが重要になってきます。

また、検察官側から一旦提出される証拠には、基本的に有罪の判断をもらうために必要な証拠しかありませんので、検察官が提出していない手持ち証拠の中に、弁護人側に有利な証拠がないかを確認することも大切です。

特に、起訴された場合、弁護人は、裁判所に対して、“公判前整理手続”や“期日間整理手続”に付することを請求することができることができ、この点は起訴前とは大きく違う強みになります。

“公判前整理手続”や“期日間整理手続”に付してもらうことができれば、弁護人は、検察官に対し、①手持ち証拠の一覧表を交付するように請求することができますし、②必要な証拠を開示するよう請求することもできます。

このような証拠の確認をする中で、検察官が提出する証拠を取り調べることに同意をするのか、同意しないのか、一部だけ同意するのかの判断(証拠意見)も重要になります。

刑事裁判では、取調べることができる証拠を制限する細かいルールが存在していますので、それに則って、弁護人側に不利な証拠の提出には同意しないことも非常に重要になります。

なお、弁護人が同意しない証拠については、検察官は証拠の補充として、証人を直接呼んで尋問することなどを検討することになりますので、それが弁護人側にとって有利なことなのか、不利なことなのか、見通しを立てながら証拠意見を述べることが肝要です。

そして、弁護人からも、確認した証拠の中で、弁護人側に有利なものがある場合には証拠調べを請求することも必要です。

もっとも、弁護人が証拠調べを請求した証拠に対しても、検察官側から不同意等の証拠意見が述べられることがありますので、そのような場合に備えて対抗する手段を検討しておくことも必要です。

 

以上に述べたような攻防を経ながら、裁判への準備は進んでいきます。

裁判の際には、証拠調べが決定された証拠書類や証拠物の証拠調べが行われることは勿論ですが、尋問を申請された証人の証人尋問もありますし、本人に対する被告人質問も行われます。

検察官側が申請した証人の証言の矛盾を突いたり、本人の言い分を裁判官に伝わるように具体的に述べてもらうことは、無罪を獲得する上で非常に重要です。

無罪の獲得を目指すためには、刑事裁判に長い時間がかかることも少なくありませんが、その時間を活用して今まで述べた準備を十分に行うことが必要不可欠なものとなります。