少年審判が開始すると、不処分、保護観察、少年院送致、児童自支援施設送致、検察官送致などの処分が家庭裁判所において出されることとなります。

少年法の目的は、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずること」であるとされています(少年法第1条)。すなわち、少年法の目的は、罰することではなく、少年が今後犯罪や非行などに及ばないよう改善・更生教育することにあるので、少年の処分は、様々な要素を考慮して決定されます。

つまり、少年事件においては、起こした事件の重大性よりもその少年自身の性格、性質、置かれた環境などの「要保護性」が処分を決める重要な要素となります。その意味で、大きなポイントとなるのは、要保護性の解消です。付添人弁護士としては、少年の要保護性を解消するために、家族関係の調整、学校との調整、就労先との調整、少年の内省を深める活動等を行います。少年の更生に役立つと考えられるすべての人的・物的資源(社会資源)を開拓・準備・調整することが、重要です。また、被害者がいるような場合には、被害弁償や示談を行い被害回復に努めると同時に、これをきっかけに被害者の立場になって改めて自分の行動を振り返ってもらったりすることもあります。

このようにして、少年の要保護性が解消されたということを、審判の前から継続的に家庭裁判所へ伝えていくことが、処分を軽くすることに繋がります。