大麻は、「ゲートウェイ・ドラッグ」と呼ばれるものの1つで、より強い副作用や依存性のある薬物の使用の“入り口”となる薬物と位置付けられています。
近年では、我が国において学生や若者の間に大麻の乱用拡大の傾向がみられるようです。これは、「大麻は心身に害がなくて安全」「依存性がない」「使用しても罪にならない」などといった誤情報が広まっていることが要因とみられています。

大麻は、「麻薬及び向精神薬取締法」(以下「法」)という法律で規制されています。同法では、大麻をみだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡すこと等が禁止され、それぞれに厳しい処罰が科されています。

令和6年12月の改正法施行により、大麻は「麻薬」として位置付けられ、従来禁止されていた「所持」や「譲渡」に加え、新たに「使用」が禁止されることになりました。
また、これまで「5年以下の拘禁刑」とされていた単純所持罪の罰則が「7年以下の拘禁刑」と厳罰化されています。

ここでは、大麻に関する違法事案の中でも特に検挙される件数が多い、大麻の所持及び使用について取り上げます。

 

(1)大麻の所持

大麻は、原則としてその「所持」を禁止されています(法第28条第1項柱書)。
これに反して大麻を所持した場合、「7年以下の拘禁刑」(法第66条第1項)に処せられます。
営利の目的で大麻を所持した場合は「1年以上10年以下の拘禁刑」または「300万円以下の罰金」ないしその両方が科せられます(同条第2項)。“営利の目的”とは、犯人が自ら財産上の利益を得ることを目的とすることや、第三者に財産上の利益を得させることを目的とすることをいいます。

 

(2)大麻の使用

法改正により、これまで規制されていなかった大麻の「使用(施用)」も原則として禁止となりました(法第27条第1項柱書)。
これに反して大麻を使用した場合、上記(1)の「所持」と同様に、「7年以下の拘禁刑」(法第66条第1項)が、営利の目的で大麻を使用した場合は「1年以上10年以下の拘禁刑」または「300万円以下の罰金」ないしその両方が科せられます。

 

(3)大麻事犯の特徴や覚せい剤事犯との比較

大麻を所持・使用したことで逮捕・勾留された場合、そのほとんどが起訴され有罪となります。また、大麻にも他の薬物と同様に依存性があるとされており、自分の意思でやめることが難しい状態となって犯行を繰り返す危険もあります。
そもそも大麻は脳などの中枢神経系に作用するため、乱用によって知覚の変化(空間感覚のゆがみなど)や精神障害(うつ病を発症するなど)、学習能力が低下するなどの健康被害を生じさせることから、いかに大麻との関わりを断ち切るかが重要です。

こうした特徴や、上記(1)(2)でみた刑罰からすると、より深刻で重大な薬物である覚せい剤の事犯(所持または使用すると10年以下の拘禁刑、営利目的で所持すると1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金)と比較しても、大麻による事犯は決して軽いものではないと言えます。